友だち幻想
今日は最近読んだ本のお話。
友だち幻想―人と人の“つながり”を考える (ちくまプリマー新書)
ちくまプリマー新書は中高生向けで読みやすいのに
内容が深い良書が多いので、大人にもおススメなシリーズです。
で、こちらの本は平たく言うと
「人間関係の面倒事を哲学の視点で考えてみようジャマイカ!」
という内容です。
皆さん、人間関係の悩みは大なり小なり抱えているようで
巷にも自己啓発本、ビジネス書など
「コミュニケーション術」みたいな本が山ほどあります。
ですが、この本はそんな安直な「こうすればいいですよ」みたいなものではなく
もっと根本的な自己と他者の関係性について哲学的に考える内容です。
でも、もちろん中高生向けなので大変分かりやすいです。
学校内でのいじめ問題など学生さん向けな内容もありますが
大人の社会だって大してやってることは変わりない部分もありますのでw
きっと参考になると思いますよ。
そうそう、年頃のお子さんを持つお母さんお父さんは
絶対読んだほうが良いと思う!強く勧めます!!
自分の基本的な考えとして、どんなことでも
付け焼刃的な方法論では所詮解決しないと思うのです。
人と人とのつながりの根源をきちんと考えることは
スムーズな人間関係に役立つはずです。
そんなわけで、ぜひ皆さまにも読んでいただきたいのですが、
この本の中で特に印象に残ったのは
「愛せない場合は通り過ぎよ」
というニーチェの言葉です。
ちなみに、お気づきの方も多いと思いますが
このブログのタイトルもニーチェの
「ツァラツストラはかく語りき」から取ってます。
無理に分かり合おう、関わろうとしないで
適当に距離を置いてやり過ごすことも必要だよね、ってことです。
当たり前だけど、地球上の全員と仲良くすることは不可能ですし、
またその必要もありません。
でも学校や世間ってそういう不可能を暗に強要しますよね。
「話し合えば分かるさ!」みたいな。
絶対無理だって!!
そんなの「ワン○ース」の世界だけだって!!リアルじゃありえん!!
そういうわけで、リアルな人間関係の知恵を学びたい方には是非。
それにしても、哲学って実は面白いですよね。
自分も学生のころはアランの「幸福論」とか何度も読みました。
今でも愛蔵本の1冊です。