はーもにか吹きはかく語りき

静岡県浜松市在住ロードバイク乗りの雑記帳です 合氣道とタティングレース、音楽や読書の話も

シークレット・レース

親指を使わない生活って結構難しいですよ。

織り姫です。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

腱鞘炎で親指をあまり使わないように注意されたのですが

日常の動作で親指を使わないことの方が少ないぐらいですわ。

早く治ってくれないと困るよ、ホント。

さて、最近読んで面白かった本がコチラ。

シークレット・レース  ツール・ド・フランスの知られざる内幕

これはロードレースが好きな方はもちろん、

あまり詳しくない人にも面白く読めると思います。

ノンフィクションの自伝書として傑作です。

書いているのは作家のダニエル・コイルですが

タイラー・ハミルトンが語る形式で書かれていて

単なる事実の羅列ではなく、心理描写などが秀逸。

読み手をグイグイ引き込む感じです。

自分はこの本を読んで、ドーピングがいかに組織ぐるみで

ステマティックに行われていたか、

そして、超過酷なトレーニングに耐えた上で

初めてドーピングに意味があるということを知りました。

怠けるために、楽して結果を出すためにあるものではないのです。

ロードレースというものが

「人間の限界を超えたさらにその先」での戦いになっているということが

この本でよく分かりました。

そして、そんなドーピングをしなければ勝てない戦いの中

不正に手を染めることへの選手の葛藤など

考えさせられる内容でしたね。

ロードレースという特殊な世界だけの話ではないような気もします。

クリーンではなかったけれど、最後に真実を語る勇気を持てた

タイラーはやっぱり並みの人ではなかったのだと思いますね。

こういう翻訳ものは訳がダメダメなことも多々ありますが

この本は日本語訳も大変良く出来ていて、読みやすいです。

かなり読みごたえがあって、

久々に良書を読んだ!という気分になれました(^^)